先日アナウンスさせていただいた、10月15日(土)に宇都宮で開催されたピンクリボンセミナー
少し遠い場所ではありましたが、本当に行って良かった!と思える、とても充実した濃い内容のセミナーでした。
そもそもこのセミナーに興味を持ったのも、母が乳がんで他界したため。
比較的ゆっくりと進行し、早期発見であれば助かる確率が高いと言われている乳がんですが、母の闘病生活を間近で支えていた私にとっては「乳がんは怖いもの」でした。
セミナーでも言ってましたが、「乳がんは転移、再発すると治らない病気」
他のがんの闘病を見たことが無いので比較は出来ませんが、とにかく乳がんの体内破壊力はすさまじく強力。
乳がんは脇と肺に転移しやすいといわれていますが、脇に転移する=リンパを伝って全身に転移するなんですよね。母の場合は見つかったときには末期だったので、脇や肺はもちろん、リンパを通って全身にがん細胞が行き渡り、脳や骨にも転移していました。骨に転移したがん細胞は骨に噛み付き、母の場合は運悪く脊髄までやられてしまい、余命何ヶ月かを残した状態で半身不随となりました。
「乳がんは完治しやすい」というのは早期発見した場合。その早期発見に向けた様々な取り組みが日本各地で行われていますが、特に宇都宮セントラルクリニックは日本中でも1、2を争うスピードで最新機器を取り入れ、果敢に早期発見に尽力する病院であると今回のセミナーで思い、強く感動しました。
経験値があるからこそ、納得したり、感動した事柄を皆さんにシェアしたいと思います。
乳がんについてはそれなりに独学で得た知識がありましたが、やはり最前線で活躍する医師の知識とは雲泥の差。最先端医療による検診がいかに進化しているかを思い知らされました。
セミナーは2部構成
第1部 竹原めぐみ女医(乳がん学会専門医・指導医、外科学会専門医、マンモグラフィ精中機構読影医・講師)による
「乳がん基礎知識入門~行こう、受けよう、乳がん検診~
第2部 佐藤俊彦氏(放射線科医、NPO法人ピンクリボンうつのみや理事長、宇都宮セントラルクリニック代表、セントラルメディカル倶楽部顧問医)による
「手術前には必ずPEM(ペム)を受けましょう!」
竹原先生は宇都宮セントラルクリニック医師。年間100~150人の患者さんと会い、述べ1500件もの手術に立ち会った偉大なお方。
セミナーでは、乳がん発見において何が大切か、そして発見された場合に必要な知識を教えて下さいました。
早期発見が大切なのは勿論ですが、一般的に言われている乳がん検査をすれば良いか?と言えば、単純にYESとは言えないそう。
何故なら、一般的な乳がん検診「触診」「超音波」「マンモグラフィ」だけでは発見しきれないガンがあるからです。
その理由の一つに、先生は「デンスブレスト」をあげていました。
デンスブレストとは日本人にとても多いとされている状態で、日本語では「高濃度乳腺」といわれています。
左側の写真の、一番右側が「デンスブレスト」の乳房。真っ白なのは乳腺が高密度なためで、正常な状態だそう。
けれどマンモグラフィを使って撮影した場合、デンスブレストだとがん細胞が乳腺に隠れてしまい発見できません。(右の写真参照)
それぞれの検査機器には得て不得手があり、1つの検査方法だけでは全てのがんは見つけられない。と先生は仰います。
全てを併用することで発見率は上がるけれど、それでもデンスブレストの場合は見逃してしまう。
そんな中、乳がん検診で新たに注目されているのが<PEM><トモシンセンス3Dマンモグラフィ>なのです。
PEMとは、PETよりも更に感度の高い検査のできる機械。
マンモグラフィや超音波では見つけられないがん細胞を発見します。
なんと、2mmサイズのがん細胞の発見も可能だそうで、早期発見またセカンドオピニオンとしても大きく役立っています。
そしてトモシンセンスは3Dマンモグラフィのこと。立体的な画像を撮影することで、平面図では見逃してしまうがん細胞を映し出します。
この辺りは第2部の佐藤俊彦先生のお話になるのですが、PEMやトモシンセンスを併用することにより、より詳細な状況確認をすることが出来、まだ小さながんの発見にも繋がるそうです。
がんの中では5% PEMでしか見えないガンがあり、
15% PEMでも見えず、MRIで見えるガンがあるそうです。
PEMを導入している病院はまだまだ少ないのが現状の日本ですが、日本政府からは大変注目されています。その証拠に、導入されるや否やすぐに保険適応になったそうです。
保険適応されてもまだ高いお値段ではありますが、ガンが進行した際の医療費に比べたらかなり価格抑えめです。私自身も母からの遺伝で乳がんになる可能性も否定できないので、このPEMは是非受けてみたい!と思いました。
またトークショーでは治療に付いての説明も行われました。
乳がんの出来た部位や、ステージによって処置方法はだいぶ変わってくるそうです。
手術と言っても全摘すれば良いという訳ではなく、また抗がん剤だけが良いものでもない。その病状にあった最適な方法を見つけ出すことが大事であり、それは千差万別。
信頼できる意識と医療機関に出会い、方針を決定していくことが大事。もし納得のいかない診断等があれば、必ずセカンドオピニオンを聞くこと。言いなりではなく、自分自身も知識を持って治療に取り組んでいくことが大切なんですね。
私の場合 母の治療方針を決定する際は、自分自身が知識がないため医師の言いなりになるのが精いっぱいでした。
ネットや本を使っていろいろと勉強しましたが、得られる情報は限られていましたし、悠長に調べている時間もありませんでした。
今回のように図や写真を使い、素人にもわかりやすく説明してくれるセミナーを事前に受けていたら状況が変わっていたかもしれない、、、と受講中に幾度も後悔の波が押し寄せてきました。。。
やはり「知る」ことって自分を守ることに繋がるし、場合によっては「寿命」にも繋がると再認識しました。
竹原めぐみ先生
寿命を10年延ばす 「乳がん専門医」の教え
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佐藤俊彦先生
がんになった医者が書いた
あなたのがんは「これ」で9割防げる
今回のセミナーの内容は、それぞれの著書にも書いてあるので、興味がある人は是非是非本を手に取ってみてください!!!
小難しい医学書とは異なり、図式も多く難しい用語も素人でも分かるようにとてもわかりやすく書かれています。
乳がんをメインに書かれていますが、病全般に共通するような知識も取得できると思います。お世辞抜きで、本当にためになるとてもお勧めの本です。
セミナーの後は、実際に宇都宮セントラルクリニックを見学させてもらいました(^^)
最新のPEMも見てきましたよー!
次の記事でアップしていきますね☆